香港金融管理局は9日、アリババ集団傘下のアント・フィナンシャルやスマートフォン大手の小米(シャオミ)など4陣営にインターネット専業銀行にあたる仮想銀行の免許を交付した。いずれも6〜9カ月以内に営業を始める見通し。有力なテック企業が伝統的な大手銀行に挑む構図となり、関心を集めそうだ。
4陣営はアント・フィナンシャル、小米、中国平安保険の系列会社に加え、騰訊控股(テンセント)や中国工商銀行からなる企業連合体。中国を代表するネット企業がそろって香港で銀行業に参入することになる。金融規制の整った香港でサービスを始め、中国以外に展開する布石とする狙いがあるとみられる。
金融管理局の陳徳霖総裁は声明で「仮想銀行は顧客体験を改善して、金融のイノベーションを促す」と指摘した。同局は中国の京東集団(JDドットコム)やネット保険の衆安在線財産保険を含む別の4陣営に免許を交付済み。仮想銀は合計8陣営となり、顧客獲得をめぐる競争が激しくなりそうだ。
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