※ライムスター宇多丸の マブCLASSICS巻末対談より
宇 「『サイレントマジョリティー』は、あまりにストレートなメッセージソングでビックリさせられました」
秋 「欅坂のオーディションの時にみんなを見ていると『大人』っていうものが記号化されていて、やっぱり永遠の敵なんだなって。それは彼女たち独自のものでなく蓄積されてきたもの。そういったものが『サイレントマジョリティー』になったのかな」
宇 「たぶん今の女の子たちは、男の子たちに『好き好き、振り向いて』という気持ちよりは、大人とか大人社会を構成する男たちに怒りを抱いているかもしれない。そういう方が今っぽい。だからサイマジョ的なものが来たのかなと思いました」
秋 「女の子たちが昔ほど恋愛観とか恋愛に対するメッセージを、アイドルに求めてない気がする」
宇 「秋元さんってアンチの人から見れば完全に『体制派』というか、社会的にも成功されてるからそう思われがちだけれど、実は折に触れ世相とか社会とか政治状況についてストレートなメッセージソングを出したりしてますよね、しかもシングル曲として」
秋 「それはやっぱり僕がミュージシャンじゃないから。僕が歌うんだったら僕なりの歌があると思うけど、彼女たちが、欅坂が歌う。
欅坂のオーディションの時ってAKBのオーディションと明らかに違って、華やかさみたいなものがなかったんだよ。ひきこもり的なね。何だろうこの子たちは...と思ったけど、だからと言って輝いてないかと言うと輝いてるわけ。鈍い光なんだよね、欅坂は。
そんなこの子たちのデビュー曲は何にしようかと思った時に、『サイレントマジョリティー』になったわけ」