E・J・オッペルト (Ernst Jacob Oppert, 1832~1903) 独特で高い水準の文化を誇り、文明化された暮らしを営んでいると公言できる国の中で、 朝鮮ほど民族の起源や歴史に関する文献が不完全で不足な所も珍しい。 学者然とした朝鮮人のうち、誰も自分の国の歴史を記述しようとしたり、それができる人はいないらしい。 彼らは中国や日本の史家が残した記録が、付け加えることがない完全なものだと信じているようでもある。
P・G・フォン・メレンドルフ (Paul Georg von Möllendorff, 1847~1901) 清国はその隷属国が危急な状況に陥ったとき、果たして日本から保護してやれるのか、 当時の情勢を見る目がある人にはきわめて懐疑的に思われた。 したがって朝鮮は清国以外の別の力に頼るべきだと、夫は最初から明確な考えを持っていた。 当時の状況を考えると、それはロシアしかなかった。