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2022/08/02(火) 21:49:10.08ID:CAP_USER6月末のヌリ号打ち上げ成功は韓国も本格的な宇宙時代に入り込んだことを知らせる快挙だ。5日には月探査船「タヌリ号」の打ち上げも予定されている。
これまで宇宙が好奇心と探査の対象だったとしたら、これからは産業の領域だ。宇宙で新しい人間活動と資源開発がますます可視化圏内に入ってきている。ロケットの打ち上げもひとつの産業になり、宇宙観光も一歩を踏み出した。自動運転車などデジタル社会を動かす第6世代移動通信網(6G)構築も人工衛星との円滑な連結にかかっている。月にはヘリウム3、小惑星にはレアアースがあふれている。いまでは磁石を利用して宇宙ごみを清掃する会社まで登場した。宇宙が新産業を開いている。モルガン・スタンレーは2040年ごろに世界の宇宙産業市場規模を約1000兆ウォンと予想する。メリルリンチは少なくとも3500兆ウォンを超えると予想する。
政府主導の宇宙開発も民間部門に移っている。名付けて「ニュースペース」だ。この「新しい宇宙」が時代の話題になった。スペースX、ブルーオリジン、ヴァージン・ギャラクティック、オービタルサイエンシズなど民間宇宙会社はもうわれわれにも見慣れないものではない。目前に迫るタヌリ号打ち上げもイーロン・マスク氏が設立したスペースXの「ファルコン9」というリサイクルロケットで行われる。
2019年5月、米航空宇宙局(NASA)主導でスタートしたアルテミス合意は2024年までに有人宇宙船を月に再び送り込む準備をしている。全13条項で構成されたこの合意には韓国を含め、英国、フランス、カナダ、日本など20カ国が参加している。この合意は人間を月に再び送り込むだけにとどまらない。民間企業の宇宙開発をどのように促進するのかに対する具体的計画を提示している。たとえば月、火星、彗星、小惑星で民間企業が宇宙資源を採掘・活用する可能性があることを規定する。宇宙活動に使われるインフラ、すなわち技術・体制の互換性を高めて商業的活用を支援しようとする。民間企業活動に向けた個別の安全地帯設置も詳細に規定する。
これに対抗してロシアと中国も2021年3月に2国間協定を締結し、月で研究活動をともに推進することにした。地上での新冷戦が宇宙でも続く様相だ。中ロは2035年までに月に共同研究基地を建設しようとしている。その成果と果実は両国の国営企業と政府関連企業の宇宙産業競争力強化につながるだろう。
◇ヌリ号打ち上げ成功が残した課題
このように宇宙開発をめぐる各国の動きが早くなっている。われわれの前にも民間主導の宇宙産業をどのように導いていくかという課題が置かれている。他の国と同じように国主導で始めたが、もう民間分野の能力を引き上げなければならない。ヌリ号打ち上げに300社以上の民間企業が参加し官民協力の最初のボタンをはめたことはそれで重要な意味がある。
ニュースペース時代に足並みをそろえて宇宙開発振興法が6月に改正され12月に発効する。民間企業と宇宙産業を支援するための本格的な計画が稼動する予定だ。新たに改正された内容を見ると、民間企業の創業を促進し、これらが公共機関と政府系研究機関が所有する基盤施設を使用できるようにする。半導体分野のように宇宙産業専従者の養成も推進する。民間企業が開発した技術を「宇宙新技術」と名付け、これを利用して生産された製品を政府と公共機関が優先購入する現実的な内容も盛り込まれた。科学技術情報通信部次官が委員長である宇宙開発振興実務委員会が細部事項を議論すれば、首相が委員長である国家宇宙委員会が決定する。
改正法にともなう準備作業もすでに始まった。先月7日に宇宙開発振興実務委員会が支援対象民間企業選定計画と方針を話し合った。下半期に選定作業が進められる予定だ。合わせて「宇宙産業クラスター」の推進計画も検討された。民間主導のロケット特化地区と衛星特化地区をそれぞれ指定する内容だ。今後さまざまな候補地を検討し決定する計画だ。自治体の誘致競争もすでに熱くなっている。(省略…)
イ・ジェミン/ソウル大学法学専門大学院教授
https://japanese.joins.com/JArticle/293876