捜査されたくなければカネを振り込め――。インドネシア警察は1日、こんな脅し文句で、多数の被害者から計約6兆ルピア(約500億円)をだまし取ったとして、153人を逮捕したと明らかにした。容疑者と被害者はいずれも、大半が中国人と台湾人という。
容疑者らは、中国などに比べて捜査の手が緩いとされるインドネシアを拠点に、2月ごろから活動していたとみられる。
警察によると、被害者はいずれも、中国系や台湾系の銀行のインドネシア支店に口座を持つ富裕層ら。容疑者らはインターネットなどを悪用して被害者らの顧客情報を入手。中国や台湾の捜査当局を名乗って連絡を取り、「あなたが関与している犯罪事件がある。穏便に済ませたいならカネを振り込め」とだましていたという。
捜査は中国当局の情報提供をもとに始まり、警察は7月末、首都ジャカルタとジャワ島東部スラバヤ、バリ島の3カ所を一斉摘発。容疑者を逮捕し、携帯電話やモデム、パソコンなどを多数押収した。サイバー犯罪に詳しい者がいたとみて、中国側と協力しながら調べているという。(ジャカルタ=古谷祐伸)
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