レトルトカレーの購入額が初めてルーを上回った
高齢世帯や共働き世帯の増加を背景に、レトルトカレーの需要が高まっている。一方、家庭などで調理するカレールーの消費は減少傾向が続き、2017年にレトルトカレー市場の規模(購入額ベース)が初めてルー市場を上回った。メーカー各社は高齢者向け少量パックや、糖質や塩分を抑えた健康志向の商品などを次々と提案し、更なる需要拡大を狙っている。【今村茜】
長期保存できるレトルトカレーは従来、災害時の非常食として購入されることも多かった。11年の東日本大震災時にも非常食として買われ、これをきっかけにレトルトカレーの進化を知った消費者も少なくないという。エスビー食品の担当者は「久しぶりにレトルトを食べた人が昔に比べおいしくなっていることに気づき、日常食として購入するようになった」と指摘する。また、少子高齢化や女性の社会進出も需要拡大を後押しした。ルーを使った家庭の手作りカレーは、一度に食べきれない高齢世帯や単身世帯には向かない上、共働き世帯は調理に時間や手間をかけることを敬遠するようになったからだ。
市場調査会社「インテージ」の調査によると、レトルトカレーの購入額は、この15年間で約2割拡大。逆にルーは約2割減少している。17年はレトルトが461億円に対し、ルーは456億円にとどまり、初めて購入額が逆転した。
需要拡大を受けて、各メーカーはレトルト商戦に力を入れている。エスビー食品は、カレーを少量だけ食べたいという高齢女性らのニーズに応え、「食べ方チョイス」シリーズを2月12日に発売する。レトルトカレーの容量は通常1袋200グラム前後だが、65〜75グラムに減らし「チキンマサラ」や「キーマ」など6種の味を食べ比べられるようにした。
大塚食品も高齢者の取り込みを図る。16年から病院内の売店や調剤薬局限定でレトルトカレー「マイサイズ いいね!プラス」シリーズを発売。塩分を抑えた欧風カレーや、たんぱく質を多く摂取できるキーマカレーを売り出したほか、昨年3月には糖質の吸収を抑制する機能を付加した欧風カレーも投入。健康志向にも訴え、売り上げ増を狙う。
ハウス食品は共働き世帯向けに本格的なカレーの味を手軽に楽しめる商品を提供。16年に発売した「プロクオリティ」シリーズは、ほぐれるまで煮込んだ肉や煮とけたタマネギが凝縮された本格派の味わいが売り物だ。「4袋入りで400円程度で販売されることが多い」(ハウス食品)という価格の手ごろさも消費者に好感されており、発売2年弱で約50億円を売り上げた。
家庭向けレトルトカレーの“元祖”ともいえる大塚食品は13年からほぼ全ての商品を箱ごと電子レンジで温められるようにし、手軽さもアピールしている。
■キーワード【レトルト食品】
調理後に殺菌して長期保存できるようにした食品。レトルトは高圧で加熱、殺菌する装置を意味し、オランダ語が語源。1950年ごろ、米国で軍隊向け携帯食として開発され、69年に人類初の月面着陸を成し遂げたアポロ11号の宇宙食に採用されたことで広く知られるようになった。
市販品として家庭で食べられるようになったのは、68年に大塚食品が発売したレトルトカレー「ボンカレー」が世界初。5年後に年間1億食を販売するヒット商品となった。
日本缶詰びん詰レトルト食品協会によると、現在、国内で100社超が500種類以上のレトルト食品を生産。16年のレトルト食品生産量は約36万トンにのぼり、うち4割をカレーが占める。
2018年2月1日 19時06分(最終更新 2月2日 07時26分)
毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20180202/k00/00m/020/055000c
★1が立った時間 2018/02/02(金) 22:56:07.44
前スレ
http://2chb.net/r/newsplus/1517579767/

高齢世帯や共働き世帯の増加を背景に、レトルトカレーの需要が高まっている。一方、家庭などで調理するカレールーの消費は減少傾向が続き、2017年にレトルトカレー市場の規模(購入額ベース)が初めてルー市場を上回った。メーカー各社は高齢者向け少量パックや、糖質や塩分を抑えた健康志向の商品などを次々と提案し、更なる需要拡大を狙っている。【今村茜】
長期保存できるレトルトカレーは従来、災害時の非常食として購入されることも多かった。11年の東日本大震災時にも非常食として買われ、これをきっかけにレトルトカレーの進化を知った消費者も少なくないという。エスビー食品の担当者は「久しぶりにレトルトを食べた人が昔に比べおいしくなっていることに気づき、日常食として購入するようになった」と指摘する。また、少子高齢化や女性の社会進出も需要拡大を後押しした。ルーを使った家庭の手作りカレーは、一度に食べきれない高齢世帯や単身世帯には向かない上、共働き世帯は調理に時間や手間をかけることを敬遠するようになったからだ。
市場調査会社「インテージ」の調査によると、レトルトカレーの購入額は、この15年間で約2割拡大。逆にルーは約2割減少している。17年はレトルトが461億円に対し、ルーは456億円にとどまり、初めて購入額が逆転した。
需要拡大を受けて、各メーカーはレトルト商戦に力を入れている。エスビー食品は、カレーを少量だけ食べたいという高齢女性らのニーズに応え、「食べ方チョイス」シリーズを2月12日に発売する。レトルトカレーの容量は通常1袋200グラム前後だが、65〜75グラムに減らし「チキンマサラ」や「キーマ」など6種の味を食べ比べられるようにした。
大塚食品も高齢者の取り込みを図る。16年から病院内の売店や調剤薬局限定でレトルトカレー「マイサイズ いいね!プラス」シリーズを発売。塩分を抑えた欧風カレーや、たんぱく質を多く摂取できるキーマカレーを売り出したほか、昨年3月には糖質の吸収を抑制する機能を付加した欧風カレーも投入。健康志向にも訴え、売り上げ増を狙う。
ハウス食品は共働き世帯向けに本格的なカレーの味を手軽に楽しめる商品を提供。16年に発売した「プロクオリティ」シリーズは、ほぐれるまで煮込んだ肉や煮とけたタマネギが凝縮された本格派の味わいが売り物だ。「4袋入りで400円程度で販売されることが多い」(ハウス食品)という価格の手ごろさも消費者に好感されており、発売2年弱で約50億円を売り上げた。
家庭向けレトルトカレーの“元祖”ともいえる大塚食品は13年からほぼ全ての商品を箱ごと電子レンジで温められるようにし、手軽さもアピールしている。
■キーワード【レトルト食品】
調理後に殺菌して長期保存できるようにした食品。レトルトは高圧で加熱、殺菌する装置を意味し、オランダ語が語源。1950年ごろ、米国で軍隊向け携帯食として開発され、69年に人類初の月面着陸を成し遂げたアポロ11号の宇宙食に採用されたことで広く知られるようになった。
市販品として家庭で食べられるようになったのは、68年に大塚食品が発売したレトルトカレー「ボンカレー」が世界初。5年後に年間1億食を販売するヒット商品となった。
日本缶詰びん詰レトルト食品協会によると、現在、国内で100社超が500種類以上のレトルト食品を生産。16年のレトルト食品生産量は約36万トンにのぼり、うち4割をカレーが占める。
2018年2月1日 19時06分(最終更新 2月2日 07時26分)
毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20180202/k00/00m/020/055000c
★1が立った時間 2018/02/02(金) 22:56:07.44
前スレ
http://2chb.net/r/newsplus/1517579767/