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福島第一原発2号機 プールに残る核燃料 壁に穴あけ取り出しへ
2019年11月1日 4時30分福島第一
福島第一原子力発電所2号機の使用済み燃料プールに残る核燃料について、東京電力は、放射性物質を含むダストの飛散などを抑えるため、原子炉建屋の壁に穴をあけて、そこからクレーンなどを入れて取り出すことを決めました。
福島第一原発2号機の原子炉建屋の上部にある使用済み燃料プールには、615体の核燃料が残されたままになっています。
これについて東京電力は、原子炉建屋の上部を解体して核燃料を取り出す案と、建屋の壁に穴をあけて取り出す案を検討してきました。
そして10月31日、最終的に、原子炉建屋の壁に穴をあけて取り出す方法に決定したと公表しました。
理由としては、建屋を解体しないため、放射性物質を含むダストの飛散が抑えられるほか、雨水の流入を防いで汚染水の発生を減らす効果などを挙げています。
東京電力では原子炉建屋の真横に高さおよそ40メートルある作業台を建設し、そこから壁の穴にクレーンなどを入れて核燃料を取り出すということです。
作業開始の時期や詳しい工程については今年度中に決めたいとしています。
東京電力福島第一廃炉推進カンパニーの小野明代表は「原発周辺へのダストの拡散をいかに防げるかなどが判断の大きなポイントで、建屋の上部解体で環境を悪化させることは避けたかった」と述べました。
1号機、3号機、4号機では
福島第一原発では事故を起こした1号機から4号機それぞれに使用済み燃料プールがあります。
このうち4号機はいちばん早く、5年前に1535体すべての取り出しが終わりました。
続いて3号機はことし4月から取り出しが始まり、来年度末までに取り出しを終える計画を示していますが、機器のトラブルなどでたびたび作業が中断しています。
1号機は2023年度をめどに取り出しを開始する計画で、現在調査などの準備が行われています。