https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-50554791
米海軍長官とトランプ氏、軍法会議めぐりなぜ対立 フォックス・ニュースの影響は
2019年11月26日
タラ・マクルヴィー、BBCホワイトハウス担当記者
戦争犯罪の罪状で軍法会議にかけられた米海軍特殊部隊の隊員の処分をめぐり、米海軍長官がドナルド・トランプ米大統領と対立し、職を去った。殺人罪などに問われた1人の兵士の行動をめぐり、大統領が兵士を擁護し、それに抗議した海軍の文民トップが解任されるという事態になぜ至ったのか、解説する。
何があったのか 解任か抗議辞任か
リチャード・スペンサー海軍長官は、24日に辞任を余儀なくされた。
しかし、このてんまつの中心となった3人の当事者が語ることの経緯はそれぞれ食い違っている。
トランプ大統領によると、スペンサー長官は解任されたのだという。その理由の一端は海軍特殊部隊(SEALs)のエドワード・ギャラガー上等兵曹の処分をめぐるものだったと大統領は言う。上等兵曹はイラクで、捕虜にした過激派勢力「イスラム国」(IS)の若い負傷戦闘員を殺害したなどの罪で、軍法会議にかけられた。
軍法会議でギャラガー被告にかけられた罪状は、負傷した少年戦闘員の首をナイフで刺して殺害し、その遺体と記念撮影したというものだった。ほかに、チグリス川沿いにいたイラク人の少女と高齢男性を射殺しようとしたとして殺人未遂罪に問われていた。被告は罪状を否認し、少年を殺したのは自分だと特殊部隊の同僚が証言したこともあり、殺人罪および殺人未遂罪では無罪となった。一方で、少年戦闘員の遺体と一緒にポーズをとって写真を撮った罪では有罪になり、降格された。しかし、トランプ氏はこの処分を取り消し、精鋭の特殊部隊に復帰できるように取り計らった。
トランプ大統領はさらに、この件に対するスペンサー長官の対応のまずさが解任の理由だったと説明した。「海軍特殊部隊エディー・ギャラガーの裁判に対する海軍の対応が気に入らなかった」とトランプ氏は述べた。
大統領は25日に記者団に対して、軍法会議の判断に介入したことについて、「自分はこの国の戦士を守らなくてはならない」と弁明した。
(リンク先に続きあり)
米海軍長官とトランプ氏、軍法会議めぐりなぜ対立 フォックス・ニュースの影響は
2019年11月26日
タラ・マクルヴィー、BBCホワイトハウス担当記者
戦争犯罪の罪状で軍法会議にかけられた米海軍特殊部隊の隊員の処分をめぐり、米海軍長官がドナルド・トランプ米大統領と対立し、職を去った。殺人罪などに問われた1人の兵士の行動をめぐり、大統領が兵士を擁護し、それに抗議した海軍の文民トップが解任されるという事態になぜ至ったのか、解説する。
何があったのか 解任か抗議辞任か
リチャード・スペンサー海軍長官は、24日に辞任を余儀なくされた。
しかし、このてんまつの中心となった3人の当事者が語ることの経緯はそれぞれ食い違っている。
トランプ大統領によると、スペンサー長官は解任されたのだという。その理由の一端は海軍特殊部隊(SEALs)のエドワード・ギャラガー上等兵曹の処分をめぐるものだったと大統領は言う。上等兵曹はイラクで、捕虜にした過激派勢力「イスラム国」(IS)の若い負傷戦闘員を殺害したなどの罪で、軍法会議にかけられた。
軍法会議でギャラガー被告にかけられた罪状は、負傷した少年戦闘員の首をナイフで刺して殺害し、その遺体と記念撮影したというものだった。ほかに、チグリス川沿いにいたイラク人の少女と高齢男性を射殺しようとしたとして殺人未遂罪に問われていた。被告は罪状を否認し、少年を殺したのは自分だと特殊部隊の同僚が証言したこともあり、殺人罪および殺人未遂罪では無罪となった。一方で、少年戦闘員の遺体と一緒にポーズをとって写真を撮った罪では有罪になり、降格された。しかし、トランプ氏はこの処分を取り消し、精鋭の特殊部隊に復帰できるように取り計らった。
トランプ大統領はさらに、この件に対するスペンサー長官の対応のまずさが解任の理由だったと説明した。「海軍特殊部隊エディー・ギャラガーの裁判に対する海軍の対応が気に入らなかった」とトランプ氏は述べた。
大統領は25日に記者団に対して、軍法会議の判断に介入したことについて、「自分はこの国の戦士を守らなくてはならない」と弁明した。
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