新型コロナウイルスでマスクの買い占めが発生との情報。高値で転売に批判「感染で儲けるべきではない」
「何店も回ったけど買えなかった」など窮状を訴えるものも
高橋史弥(Fumiya Takahashi)
中国・武漢市を発端に広がりを見せている新型コロナウイルスについて、中国の専門家チームがヒトからヒトへの感染を確認したと発表したことを受けて、現地のネットでは「マスクが売り切れて買えない」などの投稿が相次いでいる。
ネットの通販サイトでは、一部のマスクが通常より高値で出品されていて、現地メディアは「感染の広まりを利用して儲けるべきではない」と批判している。
中国・武漢市を歩く人たち
■フリマアプリで転売か
武漢市を発端に感染が広がりを見せている新型コロナウイルスについては、日本でも感染者が確認されたほか、中国でも武漢市や広東省などで患者が確認されている。
調査にあたっている専門家チームの鐘南山(しょう・なんざん)医師はこれまで「明確な証拠はない」とされていたヒトからヒトへの感染について、広東省の2例で確認されたほか、医療関係者への感染もあったと発表した。
中国では、1月25日の旧正月を前にした旅行や帰省などの大移動の真っ最中。感染の拡大が懸念されるなか、SNSのウェイボーでは「マスク」がトレンドワード入りするなど高い関心を集めた。
投稿には、レジにできた長蛇の列の写真とともに「全員マスクを買っている」と綴るもののほか「何店も回ったけど買えなかった」など窮状を訴えるものもあった。
SNSではアメリカの規格をクリアした「N95マスク」などが「高機能だ」などとされ、買い求める声が上がっている。こうした声の高まりを受けてか、通販サイト「タオバオ」やフリマアプリ「閑魚(シエンイー)」などでは一部のN95マスクが高値で出品されている。
これに対し現地メディア・中国青年報は「生命の健康と安全は短期的な利潤よりも重要で、感染を利用して儲けるべきではない」と批判。政府の関係部門が調査していると警告した。
また、専門家チームの鐘南山医師は、国営放送CCTVを通じて「N95マスクが売り切れたと聞いていますが、必ずしもN95である必要はなく、一般的なマスクでも予防に効果はあります」と呼びかけた。
https://m.huffingtonpost.jp/entry/wuhanvirus2_jp_5e26af40c5b673621f7b0c09
「日本が安全。帰りたくない」 春節の中国人観光客 新型肺炎を警戒 マスク大量購入 | 沖縄タイムス+プラス ニ
中国武漢市を中心に発症が相次ぐ新型コロナウイルスによる肺炎への警戒感から、中国人観光客らによるマスクの購入が相次ぎ、沖縄県内のドラッグストアなどで高機能マスクの売り上げが伸びている。「50箱欲しい」といった大量購入の希望もあり、関係者が販売する個数制限を検討するなど品薄対策にも力を入れている。(社会部・西里大輝)
マスクを手に取り性能を確認する中国人観光客=23日、那覇市・ダイコクドラッグ国際通り松尾一丁目店
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那覇市の「ダイコクドラッグ国際通り松尾一丁目店」では、PM2・5、ウイルスを99%カット、N95規格相当などの記載がある高機能マスク200個を22日に入荷。その日で完売した。マスクを手にする中国人観光客に尋ねると、新型コロナウイルスへの備えと口をそろえる。望月健司店長は「個数制限し、欲しい客に行き渡るようにしたい」と話した。
JR九州ドラッグイレブン経営企画部の富山拓也課長によると、マスクの売り上げは直近2日間で通常の4〜5倍といい、ウイルスなどを除菌するとされるクレベリンも海外客にいつも以上に売れているという。「製造会社の一部で出荷を規制する動きも出ているが、在庫はあるので今すぐ品切れになることはない」と強調する。
24日に帰国する浙江省から旅行に来た男性(29)は買い物袋にびっしりマスクを詰め込んだ。家族12人分を買い集めたといい、「とても不安。日本の方が安全。帰りたくない」と表情は曇りがち。
重慶市から訪沖した女性(45)は中国でマスクが売り切れなので友人から買ってきてほしいと電話をもらった。「気をつけるけど心配してはいない。重症急性呼吸器症候群(SARS)も乗り越えてきた。大丈夫」と笑顔だった。
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/525931