この場所の樹氷は中国からの大気の影響を反映する傾向があるとして、チームは「新型コロナウイルスの影響で中国が経済活動などを抑制した結果、汚染物質が減少したのではないか」と分析しています。
福岡市にある福岡工業大学の永淵修客員研究員の研究チームは、大気中の物質が含まれる「樹氷」に注目し、去年12月末からことし4月までの間、大分県と宮崎県の山で採取した2か所の樹氷に含まれている成分を1か月ごとに調査しました。
その結果、大気汚染物質の1つで車の排気ガスなどに含まれる窒素酸化物の濃度が、ことしの2月以降、大きく減少し、2010年代で濃度が高かった時期と比べると、10分の1以下の低い値だったということです。
対象となった樹氷は、地表の大気の影響を受けにくい標高1700メートルの地点にあり、これまでの調査でも、黄砂など中国からの大気の影響を反映する傾向があるということです。
永淵客員研究員は、「中国の武漢が封鎖された1月下旬以降、工場の稼働や交通量などが減少した結果、九州上空に飛来する汚染物質が減少したのではないか」と分析しています。
経済活動の自粛などと大気の改善の関連については、中国やアメリカなどでも衛星写真のデータを基にした研究が進んでいるということです。
05月19日 18時57分
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20200519/5010007971.html
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