【ニューヨーク=平田雄介】19日の南米コロンビア大統領選決選投票に勝利した左派グスタボ・ペトロ氏(62)は8月7日に新大統領に就任する。左派政権の誕生が相次ぐ中南米では既に米国の影響力の低下が表面化しており、ペトロ氏の当選により「米国の中南米政策のかじ取りはさらに難しくなる」(外交筋)との見方がある。
ペトロ氏は17歳だった1977年に左翼ゲリラ「4月19日運動」(M19)に参加した。そこで「貧しい農家の暮らしに触れたことが政治活動の原点になった」という。武器の不法所持などで投獄され、出獄後は政治家に転身して下院議員や上院議員、首都ボゴタ市長を務めた。大統領選への挑戦は3度目。2018年の前回選は決選投票で現職のドゥケ大統領に敗れた。
今回の選挙戦では経済格差の是正を重視し、大学教育の無償化や年金改革などを訴えたが、米メディアでは反米左派政権のベネズエラとの外交関係再開を掲げたことも注目を集めた。
米国は、ベネズエラのマドゥロ大統領が17年に独裁体制を確立して以降、民主化を促すための制裁で「最大限の圧力」をかけてきたが、最近は中南米諸国の支持を失い、コロンビアは米国に歩調を合わせる「南米最後のとりで」(米紙ニューヨーク・タイムズ)となっていたからだ。
コロンビアの左派政権誕生は、18年のメキシコ▽19年のアルゼンチン▽20年のボリビア▽昨年のペルー▽今年のホンジュラス、チリに続く。10月のブラジル大統領選でも左派ルラ元大統領が世論調査で優勢だ。共産化(赤化)するほど過激ではないとの意味で「ピンクの波」と呼ばれるが、中南米への米国の介入を忌避する動きは強まっている。
6月上旬の米州首脳会議では、米国が「非民主的」としてベネズエラ、キューバ、ニカラグアを招待しなかったことに、メキシコのロペスオブラドール大統領ら8カ国の首脳が反発し会議をボイコット。中南米の自律性を高め、結束を重視する姿勢を印象づけた。
「米国の裏庭」と呼ばれてきた中南米について、バイデン米大統領は「フロントヤード(表の庭)だ。中南米諸国は友人だ」と強調する。5月にはコロンビアを「北大西洋条約機構(NATO)非加盟の主要同盟国」に指定して関係強化を図り、対ベネズエラ制裁の緩和方針を示した。(以下ソース)
6/20(月) 20:05配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/af468eea5f44db8320df472a7eda2b70fe19f78e
ペトロ氏は17歳だった1977年に左翼ゲリラ「4月19日運動」(M19)に参加した。そこで「貧しい農家の暮らしに触れたことが政治活動の原点になった」という。武器の不法所持などで投獄され、出獄後は政治家に転身して下院議員や上院議員、首都ボゴタ市長を務めた。大統領選への挑戦は3度目。2018年の前回選は決選投票で現職のドゥケ大統領に敗れた。
今回の選挙戦では経済格差の是正を重視し、大学教育の無償化や年金改革などを訴えたが、米メディアでは反米左派政権のベネズエラとの外交関係再開を掲げたことも注目を集めた。
米国は、ベネズエラのマドゥロ大統領が17年に独裁体制を確立して以降、民主化を促すための制裁で「最大限の圧力」をかけてきたが、最近は中南米諸国の支持を失い、コロンビアは米国に歩調を合わせる「南米最後のとりで」(米紙ニューヨーク・タイムズ)となっていたからだ。
コロンビアの左派政権誕生は、18年のメキシコ▽19年のアルゼンチン▽20年のボリビア▽昨年のペルー▽今年のホンジュラス、チリに続く。10月のブラジル大統領選でも左派ルラ元大統領が世論調査で優勢だ。共産化(赤化)するほど過激ではないとの意味で「ピンクの波」と呼ばれるが、中南米への米国の介入を忌避する動きは強まっている。
6月上旬の米州首脳会議では、米国が「非民主的」としてベネズエラ、キューバ、ニカラグアを招待しなかったことに、メキシコのロペスオブラドール大統領ら8カ国の首脳が反発し会議をボイコット。中南米の自律性を高め、結束を重視する姿勢を印象づけた。
「米国の裏庭」と呼ばれてきた中南米について、バイデン米大統領は「フロントヤード(表の庭)だ。中南米諸国は友人だ」と強調する。5月にはコロンビアを「北大西洋条約機構(NATO)非加盟の主要同盟国」に指定して関係強化を図り、対ベネズエラ制裁の緩和方針を示した。(以下ソース)
6/20(月) 20:05配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/af468eea5f44db8320df472a7eda2b70fe19f78e