【ウワサの現場】なかなか行けない国会議事堂にある書店の売れ筋は?「評論家は上念司や三橋貴明」名物店主が政治家の教養低下に喝!(1/4ページ) - 産経ニュース
http://www.sankei.com/premium/news/170516/prm1705160002-n1.html
(一部抜粋)
全国民の代表である国会議員たちが集う東京・永田町の国会議事堂。一般人はなかなか
立ち入れないその片隅に、知る人ぞ知る書店「五車堂書房」がある。代議士や秘書、政府職員ら
から「五車堂のおやじ」として親しまれる店主の幡場益(はたば・すすむ)さん(76)に、日本の
“選良”たちの読書事情を聞いた。
開口一番、厳しい言葉
「昔は政治や経済、法律の専門書がたくさん売れたし、もっと本をぎっしり置いてあったの。
でもいまはだいぶ減ったね。いい本を置いても売れないもの。特に古典だとかはね」
ここ2カ月ほどでのベストセラー上位は、「サボる政治」(坂本英二著、日本経済新聞出版社)、
「国家の矛盾」(高村正彦・三浦瑠麗著、新潮新書)、「警察手帳」(古野まほろ著、新潮新書)、
「戦後日韓関係史」(李鍾元ら著、有斐閣)など。雑誌では「中央公論」が最近好調。評論では
上念司氏、三橋貴明氏の著作がよく売れているという。
「売れ筋はどんどん変わるんだよ。少し前なら憲法問題、その前はTPP、原発…。フルに
いろいろなことを知っていないと、ここ(国会)じゃ通用しないわけよ。法律も、原発も、防衛問題も、
という具合にね。最近は、『俺は部門違いだから…』なんて言って専門外の本は読まないやつが
多くなったけど、それじゃダメなんだ。昔は全部の部会に出ている先生がいたんだよ」
「昔買いに来てくれた人も、えらくなるとだんだん勉強しなくなるんだな。よく総理大臣が、本屋を
貸し切りにして買い物をしたという報道があるでしょう。それでいくら本を買ったかと聞くと、4千円だとかいう。
冗談じゃない、桁が違うだろ。一般人じゃないんだから。400万円でもいいぐらいだ」
「議員の名簿を見るでしょう。すると趣味はたいがい『読書』。7割くらいはそう書いている。でも
最近何読んだのかと聞いみたら、週刊誌だって。読書ってのは、書籍のことを言うんですよ」
「当選後の第一声で『これから勉強します』なんて言うやつがいる。これから勉強されても困るんだよ。
税金で年収2千万円以上もらうんでしょ。勉強してから来いよ」
最近の政治家の教養低下に対する幡場さんの嘆きは止まらない。読書離れは与野党共通の現象で、
特に近年の傾向としては、自分で専門書を読んで研究する議員が減っているとか。
「あと古典を読まないのが困るね。古典は基本なんですよ。他の先進国でも、ギリシャ、ローマの
古典は教養の基礎でしょう。日本の場合はやはり中国古典ですよ。ほら、そこに『全訳為政三部書』
(張養浩著、安岡正篤訳、明徳出版社)なんて置いてあるけど、売れないんだよねえ」