米民間宇宙企業スペースXが新たに開発した大型ロケット「ファルコンヘビー」の打ち上げ実験が6日午後(日本時間7日早朝)、南部フロリダ州ケープカナベラルのケネディ宇宙センターで行わ
れた。米各メディアは「成功した」と伝えている。世界で現在使われているロケットでは最も強力で、地球低周回軌道に63.8トンを運ぶことが可能。宇宙開発の大きな「推進力」となりそうだ。
〔写真特集〕宇宙から見た地球
ファルコンヘビーは全長70メートルで2段式。既に運用されているロケット「ファルコン9」を3基、一列に並べた構造で、計27基のエンジンを搭載している。
6日、大型ロケット「ファルコンヘビー」の打ち上げ後に上空で切り離され、米フロリダ州のケネディ宇宙センターに隣接する空軍基地に帰還する2基のブースター(AFP=時事)
ロケットは再利用できる。発射後に切り離された1段目3基のうち、2基は宇宙センターに隣接するケープカナベラル空軍基地上空まで自力で戻り、逆噴射で姿勢を制御しながら垂直に軟着陸。
残る1基の回収は難しいという。
スペースXのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は5日、米メディアに「実験がうまくいけば、次回に人工衛星を打ち上げる用意ができる」と述べ、新ロケットの商業利用に意欲を示し
た。今回の実験では、マスク氏がCEOを務める米電気自動車大手テスラのスポーツ車「ロードスター」と、宇宙服を着たマネキン人形が積み込まれ、太陽周回軌道を目指している。
https://www.jiji.com/sp/article?k=2018020700291&g=int