障害者を笑い物、韓国番組に批判殺到
MBCのバラエティー番組『全知的おせっかい視点』が障害者を笑い物にしたとして批判が相次いでいる。
これは、人気俳優シン・ヒョンジュン(49)が7日の放送で、自身の代表作とも言える映画『裸足(はだし)のギボン』(2006年)での
障害者の演技を再現したことが問題になっているものだ。この作品は知的障害を持つマラソン選手の実話をもとに作られた。
この放送で司会者が「ギボン君、あいさつして」と要求すると、シン・ヒョンジュンは目をむいて言葉を詰まらせながら
「あ〜こんにちは。シ〜…シン・ヒョンジュンです」と障害者のまねをした。
ほかの出演者たちは爆笑、「ヒョンジュンのあふれるギャグへの情熱」というテロップも出た。
ところが、視聴者の反応は冷ややかだった。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上には
「障害者を見下している」と指摘する声が多数書き込まれた。「実在の人物を笑い物にしたのは軽率だ」
「あれだけ大勢いるスタッフの中に、問題になるだろうと思った人が1人もいないというのは話にならない」などの文が掲載された。
「物事に対する視聴者たちの受け止め方が『Political Correctness(政治的妥当性)』、
すなわち身体障害者や国際結婚家庭など社会的マイノリティーに配慮する方向に変わろうとしている中で、
地上波放送制作スタッフたちの安易な認識が追い付いていない」という指摘もある。
ある視聴者は「最初は私も何も考えずに笑っていたが、
障害を持つ当事者や障害者の家族たちは不愉快になるかもしれないと思うと、すぐに罪悪感を抱いた」という書き込みもあった。
同番組は、沈没した貨客船「セウォル号」の犠牲者を冒涜(ぼうとく)したとして7週間にわたり放送が休止されていたが、
再開から2週間で再び非難を浴びることになった。今年3月にスタートした同番組は、
レギュラー放送開始から1カ月で主な出演者の1人、キム・センミンが「Me Too運動」により名指しされ降板、
5月にはさつま揚げを食べる場面にセウォル号事故のニュース速報映像を使用して激しい批判を受けた。
MBCの崔承浩(チェ・スンホ)社長が謝罪、スタッフも交代したが、再び問題が起こった。
今回の問題について同番組制作サイドはまだコメントしていない。
イ・ヘイン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/07/10/2018071000937.html