■8・5知事選 大北事件 問題掘り下げる論争を
(略)組合が2007〜13年度、森林作業道整備や間伐を実施したように装い、国や県の補助金約14億5千万円を不正に得た事件である。
県は国から補助金7億6千万円余の返還を求められ、県の不正行為による加算金3億5千万円余も課せられた。
県は組合に時効成立分などを除いて補助金の返還を請求。加算金分は税金から支払った。
その穴埋めの一部に、関係した現地機関の県職員11人に損害賠償を求めた。
事件では、組合の元専務理事が詐欺罪などに問われ、実刑になった。判決で長野地裁は県の不正関与を認めている。
問われているのは、県の対応である。阿部氏は自身ら特別職を含む職員を処分し、第三者組織で実態を解明したとする。
一方で県民世論調査では7割が再調査を求めた。現場職員のみに賠償請求したことも半数が「問題がある」と回答している。
金井氏は「県民の税金が返ってこないかもしれない。責任を現地職員に押しつけ、県のトップである知事は責任を取っていない」と主張。真相究明と県民への説明、再発防止などを訴えている。
阿部氏は「県民の立場に立ち、取るべき措置を全力で講じてきた」と反論。
本紙の候補者座談会では「(県民には)対応を振り返ってもらえれば理解いただけると思う」と述べている。
金井氏は告示日の街頭演説でも事件の真相解明を訴えた。それに対して、阿部氏は同日の演説で事件に触れなかった。
阿部氏が「理解いただける」と思うのなら、これまでの対応の経緯と根拠、再発防止策を具体的に説明するべきではないか。
事件は職員のコンプライアンス(法令順守)意識の不足を浮き彫りにした。一度計上した予算消化へのプレッシャーが強いことや、
現地機関が不祥事を把握しながら知事らに伝わらない情報伝達の問題も指摘されている。
金井氏は問題を追及するだけではなく、県庁組織をどう改善していくのか明確な手法を示すことも求められる。
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20180721/KT180720ETI090018000.php
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