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ソロモン諸島の島、中国企業にリース 国交樹立直後に
台湾と断交して中国と国交を樹立したばかりのソロモン諸島にある地方政府が、小さな島全体を貸し出す合意文書を
中国企業と交わしていたことが明らかになった。AFP通信などが伝えた。経済開発が念頭にあるが、中国が軍事目的にも使うのではないかという懸念が、豪州などから出ている。
合意文書を交わしたのは、同国にある中央州。国交樹立の翌日にあたる9月22日、中国森田企業集団(本社・北京)と署名した。
文書は、同州にあるツラギ島全体と周辺の島々を「経済特区」の開発用に貸し出す用意があるとの内容で、石油・ガス事業などで使うことも考えられるとしている。同社は傘下に化学メーカーや石油・ガスの開発企業などを収める。
ツラギ島は、首都ホニアラがあるガダルカナル島から北に40キロほどの約2平方キロの小島で、現在の人口は約1200人。かつては英国の植民地政庁が置かれ、太平洋戦争中には日本軍が一時占領した。
太平洋の島国の状況に詳しいローウィ研究所(シドニー)のジョナサン・プライク氏は「中国が経済特区のような開発の約束をすることは珍しくはない。ただ、将来的に中国の戦略的な施設がある地区になる恐れがある」と指摘する。
太平洋の島国では昨年、中国の支援で建設したバヌアツの港の埠頭(ふとう)が中国の海軍基地として使われる可能性が浮上し、物議を醸した。