江戸時代の農民も実は名字を持っていた!
2021年10月14日 11時53分
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NHKの人気番組「日本人のおなまえ」でおなじみの姓氏研究家・森岡浩さん監修の
『名字の歴史』(宝島社)が刊行された。
名字については大きな誤解がある。
多くの庶民が名字を使うようになったのは明治維新以後と理解していた人が多いだろう。
だが、それは間違いだという。室町時代から多くの庶民が名字を持っていたと知り、驚いた。
なぜ、そのような間違いが長く信じられてきたのか。本書を読み、理解することができた。
ひと口に農民といっても、さまざまな階層に分かれていた。
各地域の農民の上に立って取りまとめていた階級が「庄屋」や「名主」だが、
これらの人々は元々武士だったという人が多い。
「関ケ原の戦い」を境に、敗れた西軍の人たちの多くが武士であることをやめて、
農民として暮らすようになってしまった。
また東軍の人たちも全員が武士であり続けたわけではない。
下級武士の多くは、ふだんは農業に従事し、戦いの時には武士として戦った。
江戸時代になると、武士ではなくただの農民として暮らす人も多かった。
元・武士だった農民ばかりではなく、もっと身分の低い一般の農民でも
名字を持っていたことが近年の研究で明らかになってきた。
当時の農民は名字を持っていなかったのではなく、
公に名字を名乗ることがなかったという考えが通説になっている。
たとえば、江戸時代の俳人として知られる小林一茶は農民の出身だが、
もともと「小林」という名字を持っていたことが知られている。
(以下引用略)