あなたの身近にいるかも? 【反社会性パーソナリティ障害(ソシオパス)とは何か?】(竹内成彦)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/8b36cddb8dec9eba7045866821f29ce0f11123db こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
今日のテーマは、「反社会性パーソナリティ障害(ソシオパス)とは何か?」です。
反社会性パーソナリティ障害とは、社会の規則やルールを破り、他人を欺いたり権利を侵害したりすることに罪悪感を持たない障害です。
この罪悪感を持たない…というのがカギです。普通、悪い行為をしたら、少しは胸がチクチク痛むものなのですが、反社会性パーソナリティ障害の持ち主は、良心の呵責というものがないようなのです。
反社会性パーソナリティ障害は、精神病質、社会病質、あるいは非社会性パーソナリティ障害とも呼ばれています。診断するには、少なくとも18歳以上で、15歳以前にいくつかの素行症の症状が出現していることなどが要件になります。
要するに、基本、18歳に満たないものは、反社会性パーソナリティ障害とは言わないし、15歳以前に素行症の症状が出現していない人は、それ以降に悪事を重ねても、反社会性障害とは言わない…ということなのです。
反社会性パーソナリティ障害の人は、通常なら他人の権利を尊重するので、あと一歩のところで踏みとどまるところを、自分の利益や望みを優先するため、簡単に壁を乗り越え、法を犯し、逮捕されたりすることが多いです。
人口の約1~3.6%が、反社会性パーソナリティ障害だと言われており、男性の方が女性の6倍ほど多いと言われています。そう考えると怖いですね。そこらじゅうに、うじゃうじゃいるということですからね。
反社会性パーソナリティ障害の特徴は大きく分けて3つあります。
ひとつめは、他者の軽視です。
彼らは、自分の行為によって、他者がどう思うか、どういった状況になるか? を適切に理解できません。平気で人を傷つけたり騙したりします。また、そういった行動に対して良心の呵責や罪悪感を感じず、何度も悪事を繰り返したりします。
また、今言った行動を取ることによって、他者が傷ついても、自身の行いを正当化する言動を取り、相手を非難する傾向が強いです。
たとえば、オレオレ詐欺をしておいて、「騙される奴が悪い、俺は悪くない」などの言葉が、これに該当します。
ふたつめは、衝動性です。
彼らは、将来の計画を立てることができず、衝動的に行動する傾向が強いです。急に引っ越ししたり、人間関係を変えたりします。また、危険な行動にも走りやすく、運転中に急にスピードを上げる、飲酒運転をする、違法薬物を使用する…などがあります。その結果、他人を巻き込んで傷つけてしまうことが多いのが彼らの特徴です。
みっつめは、無責任性です。
無責任と言っても、それはかなり極端です。大した理由もなく、繰り返し仕事を休んだり、借金を返さない、性的に奔放など…を通して、最終的には住む場所を失ってホームレス状態になったり、法を犯して刑務所に入る人もいます。
また、それは、他者の軽視や衝動性にも繋がり、数々のトラブルや危険行為の結果として、事故や殺人によって若くして死亡しやすい傾向にあります。
その他の特徴としては、
反社会性パーソナリティ障害の人は、自分の利益が得られる場面では、感じよく振る舞うことができる場合が多く、知識があるように見せて転職に成功したり、社会的に地位のある人間を装って異性を口説いたりすることがあります。彼らは、表面的な魅力を演出するのがうまいのです。これはなかなか油断のならないところですね。
また、変に自己評価が高い傾向にあり、自分の考えをなかなか曲げません。自信過剰な場合もあり、周囲からは「自分勝手」「自己中心的」と思われることも多いです。