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2019/06/28(金) 02:45:48.37ID:CAP_USERhttps://gendai.ismedia.jp/articles/-/64772
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2019/6/26
ブルーバックス,現代
※動画あり(2件)
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液体金属を意のままに操る。映画やアニメではおなじみのこの能力が、現実のものとなる日も近いかもしれない──。
イギリスのサセックス大学とスウォンジー大学では「プログラミングできる液体金属の研究」がなされています。
1991年の映画『ターミネーター2』に登場して強烈なインパクトを残し、今でも液体金属の代名詞として使われ続けているターミネーター「T-1000」。
その第一歩となる研究をご紹介します。
・自由に形を変える、「新しい」材料
今回発表されたのは、液体金属に電荷をかけて操作することで文字やハートなどに形を変える方法です。
その結果、液体金属は「自在に形を変える回路」としても使えるようになるというのです。
液体金属の位置と形状はプログラミング可能で、動的に制御できます。
電極の電流が流れる向き(アノード/カソード)をプログラムで切り替え、
表面張力を変えることにより液体金属を流れやすくしつつ、電極に引き寄せて移動させています。
液体金属の組成はシンプルなものです。
融点が30℃を下回るガリウムを主な原料とし、液体の形態を維持できる範囲でインジウムやスズなどを混ぜたものだ、とのこと。
これを水酸化ナトリウム溶液または塩水に浸し、アルミニウム片と接触させることで、「燃料」を与えたことになります。これで約1時間移動できます。
直線的に移動したり、円形の皿の外側を走り回ったり、複雑な形をくぐり抜けたり。まるで知性があるかのような動きをしています。
SF映画に出てくる、宇宙空間を進み自らを変形させるロボットを想像させます。
・「液体金属」で何ができるのか
この研究は、架空のT-1000のように、非剛体で、その場で形を変えることができる知能ロボットを作る長期的な取り組みの一環です。
研究チームのLiu氏によると、この装置をベースにしたロボットは、
「近い将来、環境を監視したり、パイプや血管の中を通って物質を運んだりするのに利用される可能性がある」
といいます。
また、サセックス大学のInteract Laboの所長であるシュリラーム・スブラマニアン教授によれば、
液体金属のコントロールが可能になることによって、今あるディスプレイやロボットなどの機能性が大幅に向上させられるとのこと。
将来的には、コンピューター・グラフィックスやスマート・エレクトロニクス、ソフト・ロボティクス、曲面ディスプレイなどに活用されるかもしれません。
この液体金属は、物質のシームレスな形状変化をプログラムで制御できる「きわめて有望な」新しい物質と評価され、
イギリスのブライトンで開催された
「インタラクティブ平面・空間に関する国際会議」(International Conference on Interactive Surfaces and Spaces)
でも発表されています。
液体ロボットとしては、現状は平面でしか操作できないので、「T-1000」の誕生にはまだまだ遠そうですが、かなり有望なテクノロジーなのは確かです。
体に埋め込んだ電極を操作すれば、身にまとった液体金属の服がどんどん形を変える──、なんて未来が訪れるかもしれません。