11/24(日) 8:10配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191124-00000002-binsider-int
サンフランシスコのベイエリアを拠点とするスタートアップが、植物のように二酸化炭素をたんぱく質に変える微生物を利用して代替肉を製造している。
この微生物を利用することで、他の植物由来の代替肉を製造するより、自然環境への悪影響を抑えられる可能性がある。
二酸化炭素をたんぱく質に変換するプロセスは、1960年代に宇宙飛行士のための食料開発をしていたNASAが発見した。
代替肉は、ジューシーで血の滴るようなバーガーやカリカリのベーコンを模倣することができる。その原料には、大豆やエンドウ豆のたんぱく質を用いることが多い。
10月、サンフランシスコのベイエリアを拠点とする新興企業が、さらなる代替手段となるような製品を発表した。空気から作り出したたんぱく質だ。
エア・プロテイン(Air Protein)という名の会社では、NASAが発見した、植物のように二酸化炭素をたんぱく質に変える技術を用いている。この方法であれば、他の植物由来の代替肉を製造する方法より、自然環境への悪影響を抑えられると、同社のリサ・ダイソン(Lisa Dyson)CEOは考えている。彼女はサンフランシスコ・クロニクルに、たんぱく質を製造するのに必要な土地と水が、大豆の場合の1000分の1で済むと語った。
だからこそ、このプロジェクトは畑ではなく実験室で始まった。
ダイソン氏は、NASAが1960年代に宇宙での食料生産を試みたことにインスピレーションを受けた。当時、研究者たちは、1年に及ぶミッションの間、宇宙飛行士にどうすれば食料を供給できるのかについて検討を重ねていた。現在のように植物工場もなく、3Dプリンターでの代替肉製造もできない時代だ。そこで、宇宙飛行士たちが日頃から産出している天然資源に目を向けた。二酸化炭素だ。
研究者らは、ハイドロゲノトロフ(hydrogenotrophs)という微生物が、二酸化炭素を無臭の粉末状たんぱく質に変質させることを発見した。この粉末からパスタ、シリアル、シェイクなど、あらゆる種類の食品を作ることができる。
現在、エア・プロテインではこの粉末を用いて代替肉を作ることに集中して取り組んでおり、2020年には製品の販売について発表したい考えだ。ただし、どのような形態の代替肉になるのかは、まだ明らかにしていない。
エア・プロテインのライバル企業も存在する。フィンランドのソーラーフーズ(Solar Foods)も、似たような粉末を製造する実験を行っている。微生物に水素と二酸化炭素に与えると、たんぱく質、炭水化物、脂肪の混合物を吐き出す。それを用いて製造した粉末で、プロテインのサプリメントやベジバーガーを作ることができる。
もう1つのスタートアップ、カリスタ(Calysta)は、天然ガスに含まれる炭素からたんぱく質を製造し、魚、家畜、家庭のペット用の飼料として供給することに取り組んでいる。
企業間の競争はさておき、これらの企業は「肉ではない肉」の市場における最大の難関に直面している。それは、味で消費者の支持を得ることだ。
[原文:A Bay Area startup is working to make 'air meat' using protein-producing microbes discovered by NASA]
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191124-00000002-binsider-int
サンフランシスコのベイエリアを拠点とするスタートアップが、植物のように二酸化炭素をたんぱく質に変える微生物を利用して代替肉を製造している。
この微生物を利用することで、他の植物由来の代替肉を製造するより、自然環境への悪影響を抑えられる可能性がある。
二酸化炭素をたんぱく質に変換するプロセスは、1960年代に宇宙飛行士のための食料開発をしていたNASAが発見した。
代替肉は、ジューシーで血の滴るようなバーガーやカリカリのベーコンを模倣することができる。その原料には、大豆やエンドウ豆のたんぱく質を用いることが多い。
10月、サンフランシスコのベイエリアを拠点とする新興企業が、さらなる代替手段となるような製品を発表した。空気から作り出したたんぱく質だ。
エア・プロテイン(Air Protein)という名の会社では、NASAが発見した、植物のように二酸化炭素をたんぱく質に変える技術を用いている。この方法であれば、他の植物由来の代替肉を製造する方法より、自然環境への悪影響を抑えられると、同社のリサ・ダイソン(Lisa Dyson)CEOは考えている。彼女はサンフランシスコ・クロニクルに、たんぱく質を製造するのに必要な土地と水が、大豆の場合の1000分の1で済むと語った。
だからこそ、このプロジェクトは畑ではなく実験室で始まった。
ダイソン氏は、NASAが1960年代に宇宙での食料生産を試みたことにインスピレーションを受けた。当時、研究者たちは、1年に及ぶミッションの間、宇宙飛行士にどうすれば食料を供給できるのかについて検討を重ねていた。現在のように植物工場もなく、3Dプリンターでの代替肉製造もできない時代だ。そこで、宇宙飛行士たちが日頃から産出している天然資源に目を向けた。二酸化炭素だ。
研究者らは、ハイドロゲノトロフ(hydrogenotrophs)という微生物が、二酸化炭素を無臭の粉末状たんぱく質に変質させることを発見した。この粉末からパスタ、シリアル、シェイクなど、あらゆる種類の食品を作ることができる。
現在、エア・プロテインではこの粉末を用いて代替肉を作ることに集中して取り組んでおり、2020年には製品の販売について発表したい考えだ。ただし、どのような形態の代替肉になるのかは、まだ明らかにしていない。
エア・プロテインのライバル企業も存在する。フィンランドのソーラーフーズ(Solar Foods)も、似たような粉末を製造する実験を行っている。微生物に水素と二酸化炭素に与えると、たんぱく質、炭水化物、脂肪の混合物を吐き出す。それを用いて製造した粉末で、プロテインのサプリメントやベジバーガーを作ることができる。
もう1つのスタートアップ、カリスタ(Calysta)は、天然ガスに含まれる炭素からたんぱく質を製造し、魚、家畜、家庭のペット用の飼料として供給することに取り組んでいる。
企業間の競争はさておき、これらの企業は「肉ではない肉」の市場における最大の難関に直面している。それは、味で消費者の支持を得ることだ。
[原文:A Bay Area startup is working to make 'air meat' using protein-producing microbes discovered by NASA]