早苗さんが人里でいつもの布教活動を終え、守矢神社に帰宅する時のことです。
参道の中ほどに、誰かが蹲っているのを発見しました。
良く見ると、それは人間ではなく、白狼天狗のようでした。
こちらに背を向けているため表情は確認できませんが、辛そうに肩で息をしており、随分と体調が悪いように見えました。
「そこの天狗さん。どうしたんですか?」
早苗さんが声を掛けると、その白狼天狗は、弾かれたようにびくりと身体を緊張させ、のろのろと振り返りました。
オスの白狼天狗でした。
外見だけ見れば、早苗さんよりも幼い少年のように見えます。
「あら、あなたは……」
白狼天狗の少年は、早苗さんの知っている顔でした。
頭領である天魔の命令だからと、仕方なしにしぶしぶ二柱を信仰している他の天狗達とは違い、頻繁に神社に参拝し、早苗さんの説法にも真剣に耳を傾けてくれる数少ない天狗の一人です。
そんな事もあり、他の天狗と比べ、随分と親しい付き合いをしていました。
「大丈夫ですか? どこか、具合でも悪いのですか?」
心配になった早苗さんは、熱を計ろうと、少年の額に手を伸ばしました。
「だ、だめっ!!」
白狼天狗は、弾かれたように早苗さんの手を振り払い、後ずさりました。
突然、手を振り払われ、早苗さんは驚いて目を丸くしました。
「あ……ご、ごめんなさい……で、でも、大丈夫だから……」
罪悪感を覚えてしまったのか、白狼天狗の少年は、申し訳なさそうに耳を伏せ、か細い声で謝罪しましたが、荒い呼吸を繰り返し、熱に浮かされたように上擦った声は、どう見ても大丈夫には見えませんでした。
頬もリンゴのように紅潮しています。
「恥ずかしがらなくても良いんですよ」
早苗さんはクスリと微笑み、少年の手を取りました。
じんわりと汗ばんでいた少年の手は、驚くほどに熱を帯びていました。
「こ、こんなに熱があるじゃないですか!」
早苗さんは驚き、熱を測るために、自分の額をこつんと少年の額に当てました。
「ひゃんっ!?」
少年は、妙な声を上げてビクリと身体を強張らせました。
その拍子に、耳と尻尾がピンと直立し、フルフルと小刻みに震えます。
「やっぱりすごい熱! 神社で休んで行って下さい。妖怪の山には後で私が連絡……」
言葉の途中で、早苗さんの視界が反転しました。
いつの間にか、自分の身体が地面に横たえられ、覆いかぶさるようにして少年が覗きこんでいます。
押し倒された事に気づくまで、少し時間がかかりました。
「早苗さん……早苗さんが、悪いんだよ……」
潤んだ瞳で見降ろす少年の声は、恐ろしいほどに平坦で、それでいて奇妙な熱が籠っていました。
「い、いったい、どういう……んむっ!?」
問いただそうと口を開いた途端、早苗さんの口に、少年の舌がねじ込まれました。
少年の舌は早苗さんの口内を荒々しく、それでいて、歯茎の裏まで余すことなく丹念に舐り、舌を絡め取っては、唾液を送り込んできます。
自分の身に何が起きているのか、とっさに理解できなかった早苗さんは、少年にされるがままに、送り込まれる唾液を嚥下し、舌を絡め合わせました。
呼吸もままならず、好き勝手に口内を蹂躙され、軽い酸欠状態になりかけた所で、ようやく少年の口が離れました。
うまく働かないぼうっとした頭で、早苗さんは、ぼんやりと少年を見上げます。
「早苗さん、早苗さん……!!」
何かにとり憑かれたように呟きながら、少年は早苗さんの上着の胸元に手を掛けると、力いっぱい引き裂きました。
下着ごと引き裂かれ、早苗さんの形の良い乳房が、ひんやりとした外気に晒されます。
そこでようやく、早苗さんは、自分の身に何が起こっているのかを理解しました。
「い、いやっ、止めてくださいっ……!!」
早苗さんは、目を白黒させながら、少年を押しのけようとしますが、少年の身体はピクリとも動きません。
弾幕ごっこなら屈指の実力者である早苗さんも、単純な身体能力では、妖怪には敵いません。
少年は早苗さんの手首を取って地面に押さえつけると、桜色の乳首にむしゃぶりつきました。
「ひあっ……!!」
乳首を弄ばれる感触に、早苗さんの背筋を、今まで感じたことがない衝撃が突き抜けます。
少年は乳房を揉み解しつつ、乳首に吸い付き、ちゅうちゅうと音を立てて吸います。
その様子は、愛撫というよりも、母親の乳を吸う幼子のようでした。
(あ……ちょっと可愛いかも……)
強姦紛いの事をされているにもかかわらず、早苗さんは、そんなことを考えていました。
抵抗をやめ、少年に乳首を吸われながら、早苗さんは、ふと、あることを思い返していました。
「早苗。白狼天狗の発情には気をつけるんだよ」
それは、少し前に神奈子様から聞いた、白狼天狗の発情期についてのことでした。
「あいつらは、好きな異性ができると、それだけで発情しちまうんだ。襲われないように注意しなよ」
なんでも、神奈子様の話では、人里に住んでいる外来人の男性が、知り合いのメスの白狼天狗と将棋をしていたところ、そのメスの白狼天狗に押し倒され、あれよあれよという間に、一児の父になってしまったのだそうです。
それと同じことが、今まさに、自分の身に起ころうとしているのです。
(この子……私のことが好きだったんだ)
一心不乱に乳首を吸う白狼天狗の少年を見つめ、早苗さんはそう結論付けました。
不思議と、早苗さんの心に嫌悪感はありませんでした。
それどころか、自分の身体に夢中になる少年に愛しささえ芽生えてきました。
思わず手を伸ばし、少年の頭を優しく撫で回しました。
それは、オスを夢中にさせているという、メスの本能的な優越感だったのかもしれません。
「早苗さん……早苗さぁん……」
甘えるように囁きながら、少年は袴と下穿きをビリビリと引き裂いていきます。
レイプ目の半裸の早苗さんを前にして、少年の股間の一物は、既に準備万端有頂天でした。
もぞもぞと自分のそれを取り出すと、準備のできていない早苗さんの入り口にあてがいます。
早苗さんは、僅かに身体を緊張させましたが、目立った抵抗はしませんでした。
もしかしたら、発情状態の白狼天狗が発するフェロモンに当てられてしまったのかもしれません。
「んっ!」
少年はくいっと腰を突き出します。
しかし、少年の一物は、大きく狙いを外し、慎ましやかにほんの僅かだけ顔を覗かせていた早苗さんの陰核を擦り上げました。
慌てて入り口にあてがい、再度腰を突き出しますが、少年の一物は入り口をすべり、早苗さんの陰核を擦り上げるのみでした。
「なんでっ、何で入らないの……」
少年は焦燥に駆られ、狂ったように腰を突き出します。
奇しくも、その動きは、素股のような行為となり、早苗さんの陰核を何度も何度も繰り返し刺激する事になりました。
そのおかげで、準備不足だった早苗さんのそこは、次第にしっとりと潤い始めました。
「あっ、ふあっ、んっ、んんっ……」
自分でするときとはまったく違う快感に、早苗さんは甘い声を上げ始めました。
「入らない、入らないよぉ」
少年は半泣きの状態で、それでもどうすればよいのか分からず、我武者羅に腰を突き出します。
皮肉なことに、潤ってきた事によって早苗さんの愛液が潤滑剤となり、よりいっそう侵入が難しくなってしまいました。
「待って……」
早苗さんは身体を起こし、少年の一物をそっと握りました。
手のひらに感じる、びくびくと脈打つ熱い肉の感触に、早苗さんの心が高鳴りました。
手に取ったそれを優しく撫でまわしながら、なんて苦しそうなんだろうと、憐憫すら覚えていました。
何とか、鎮めて上げたい。
早苗さんは、そんな義務感に駆られるように、手に取った少年自身を導きました。
「ここ、です」
早苗さんは、優しく肉棒の先端を、自分の入り口にあてがいました。
「焦らないで、ゆっくり、お願いします。私も初めてだから……」
戸惑う少年に告げ、早苗さんは微笑みました。
少年は、言われたとおり、むやみに動くことをやめ、早苗さんの入り口に亀頭を押し当て、ゆっくりとゆっくりと、確実に腰を推し進めていきました。
「んっ、くっ……」
体内に侵入してくる異物感を、早苗さんは自分の指を噛んで必死に堪えます。
やがて、ゆっくりとゆっくりと侵入してきた少年のそれは、ある一点を超えた途端ん、何かを突き破るような感触とともに、するりと完全に埋没しました。
早苗さんは身体をくんっ、弓のように逸らし、その衝撃に身体を震わせました。
「かっ、はっ……!!」
あまりの圧迫感に、喉からひゅうっと空気が吐き出され、早苗さんは、自分が「女」になったことを実感しました。
圧迫感は強いものの、十分に潤っていたからなのか、はたまた受け入れる心構えが出来ていたからなのか、想像していたほどの痛みはありませんでした。
「は、入った! 入ったぁ! 早苗さんの中にっ……!!」
少年は、歓喜の声を上げるとともに、カクカクと腰を振り始めました。
早苗さんのことなどまったく考えない、自分が快感を得るためだけの、稚拙そのものの動きでした。
「んっ、はっ、はんっ、はんっ、はあんっ……」
オスの欲望本位の動きをしかし、早苗さんは優しく受け止めました。
少年の腰に自分の足を絡め、結合を密にするとともに、少年の動きに合わせるようにして腰を揺すり始めました。
「さなっ、早苗っ、早苗さんっ、早苗さん!!」
そんな早苗さんの健気な心遣いを知ってか知らずか、少年は狂ったように腰を振り続けます。
子宮の入り口にまで達している少年の亀頭は、排卵を促すように、こつこつと子宮をノックします。
そのたびに、一物を収めた早苗さんの膣は、少年の射精を促すようにきゅんきゅんと締まります。
「あっ、いっ、でっ、でるっ!」
何度目かの律動の後、少年の一物は早苗さんの子宮口を突き上げると同時に、激しく膨張し、次の瞬間、熱い子種を注ぎ込みました。
まるで水鉄砲のような少年の射精は、子宮の壁を激しく叩きながら、瞬く間に早苗さんの中を満たして行きました。
(ぴくぴくして、いっぱい、出て、る……)
胎内を満たしていく不思議な感触に、早苗さんは唯々身を任せるのみでした。
やがて、少年の長い射精が終わるころには、早苗さんの慎ましい子宮は少年の子種でいっぱいになっていました。
もしかしたら、卵管の奥まで精子で満たされているかもしれません。
「あ、さな、さなえ、さん、まだ、まだぁ……」
一頻り射精を終えた少年は、再び早苗さんの奥を小突き始めました。
「えっ……やっ、だ、だめっ、これ以上はっ、あんっ」
てっきり終わったとばかり思っていた早苗さんが制止の声を上げますが、むろん、少年の耳には届いていません。
入口から逆流して溢れだす精液が、少年の動きに合わせ、卑猥な水音を立てて飛び散ります。
「はっ、はっ、はっ、はっ、はっ……ううっ」
どうやら、少年にはあまり耐久力は無いようです。
出したばかりで余裕があるはずなのに、あっという間に二度目の射精を迎えました。
しかし、既に一度目の射精で満杯の早苗さんの子宮には収まりきりません。
二度目の射精は、そのほとんどが接合部分から溢れだしてしまいました。
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